「Blue Bossa」は、トランペッターケニー・ドーハム(1924–1972)が作曲したジャズ・スタンダードである。ドーハムはビバップからハード・バップ期にかけて活躍した名手で、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズにも在籍した。
曲は16小節の形式で、キーはCマイナー。ボサノヴァのリズムとマイナー・キーのジャズ・ハーモニーを融合させた先駆的な作品である。CマイナーのセクションからDbメジャーへの短い転調を含む進行がコンパクトにまとまっており、ii-V-Iの基本的な動きを自然に学べる構成のため、ジャズ入門者にとって最初に取り組むスタンダードとしても人気が高い。同時に、転調部分のスムーズな処理が中上級者にとっても良い練習となる。ジャム・セッションの定番中の定番だ。
初録音はジョー・ヘンダーソン(ts)のブルーノート・デビュー作『Page One』(1963年)で、ドーハムがサイドマンとして参加。ラテン・フィールとモダン・ジャズの融合が新鮮な印象を与え、以来無数のミュージシャンに演奏され続けている。